人間ドックや肺がん検診などで呼吸器系の病気を診断する方法の一つとして、「喀痰(かくたん)検査」という検査項目があります。
これは、痰(たん)を調べることによって呼吸器の病気や原因菌を発見するというもので、特に肺がんのスクリーニング検査としてはよく用いられます。肺がんは早期発見されることが大切な病気の一つでもあります。
喫煙の習慣があるという方はまずはこの痰検査を受けておくことをおすすめします。
痰の検査
肺がんはがんの中でも死亡率が最も高い病気で、特に男性の場合は圧倒的に高い死亡率となっており、最近では女性の肺がんも増えてきていると言われています。
そんな肺がんの検査のふるいわけ検査に使われるのが喀痰検査で、その中でも特に喀痰細胞診という検査がよく行われます。
喀痰細胞診
痰には肺や気管支などからはがれた細胞が含まれていますが、この痰を採取して気道粘膜の上皮細胞や赤血球、白血球、がん細胞などを顕微鏡で検査します。
人間ドックの検査項目に含まれているコースもあり、料金としては医療機関によって異なりますが、だいたい2000円前後とそこまで大きな負担にはなりません。
喀痰検査では肺がん以外にも、結核や肺炎、肺梗塞、気管支炎、肺気腫といった病気の疑いを発見することもできます。
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どんな人が受けるべき?
この喀痰検査を受けるべき人は基本的に喫煙者です。
タバコと肺がんの関係性については賛否両論ありますが、タバコを吸わない人がこの喀痰検査を受けても陰性となる可能性が高くなります。
また、痰に血液が混ざっているという場合も一度検査を受けておきましょう。
痰の取り方
痰を採取する場合、病院でその場でとる場合もあれば、検査キットのようなもので事前に3日分を自宅で採取するように言われる場合もあります。
いずれにしても正しい方法で採取しないと再検査になってしまう可能性もあるため、いくつか注意事項を確認しておきましょう。
- 朝起きた際に痰を採取する。※痰をとる前に歯磨きやうがいをして口の中の菌ができるだけ入らないようにします。
- 唾液が混ざらないようにツバを飲むか吐き出しておく。
- 強く咳払いするなどして痰を容器に採取する。
- 採取した痰は冷蔵庫など涼しい場所に保管する。
痰は寝ている間に肺の奥から運ばれてきて溜まるため、朝に出やすくなります。
また、唾液や鼻水などが混ざってしまうと検査の精度が落ちてしまうため、できるだけ細胞の入っていない水分が入らないようにして、粘り気のある状態で採取しましょう。
痰が出ない場合は
痰がなかなか出ないという方もいらっしゃると思います。そのような場合は、ツバを飲み込んでから深呼吸をしたり、食後に採取することによって痰を出しやすくすることができます。(ただし、食後にとる場合は口の中をゆすいでキレイにするようにしましょう。)
どうしても出すことができないという場合は、容器を持っていき、医師にその旨を伝えるようにしましょう。
人間ドックで痰検査を受けるには
このような喀痰検査はX線検査では見つけにくいがんを早期発見することができる可能性のある重要な検査項目です。
痰の検査は人間ドックのコースに標準で含まれている場合やオプションとして追加することができる場合があります。
検査自体は比較的手軽に受けることが出来るので、タバコを吸う習慣があるという方は一度検査しておくことをおすすめします。
また、この検査はあくまでもスクリーニングの検査なので、陰性であったという方でも気になる症状があればCT検査などでさらに精密な検査を受けておくことが大切です。
痰の検査を受けることができるお近くの医療機関は、人間ドック・健診の総合予約サイトから検索することができます。