最近では医学の進歩によってがんなどの病気を発見しやすくなってきましたが、すい臓がんは初期症状もほとんどなく、胃や腸などに囲まれていて腹部の奥にあるため発見されにくいことで知られています。
また、がんによる死亡率は年々減り続けているとされていますが、すい臓がんに関しては年々増加しているというデータがあります。(参考:国立がん研究センター 年次推移)
それだけすい臓がんは発見されにくく、悪化しやすいため人間ドックなどを利用して膵臓の検査を行っておくことが大切です。
すい臓がんの症状は?
すい臓がんは症状がほとんどなく、見つかりにくい病気とされていますが、初期症状としては、
- 腹痛
- 食欲がない
- 腰背部痛
- 倦怠感
- 体重の減少
- 糖尿病の悪化
- 皮膚や目が黄色くなる
といった症状があります。
すい臓がんが進行すると肝臓など他臓器に転移してしまい治療が難しくなってしまうこともあるため、早く発見されることが望まれます。
ただ、腹痛などの症状からすい臓がんを連想するのはなかなか難しいため、少なくとも年に1回は人間ドックなどを活用して検査を行っておくことが大切です。
特に以下に当てはまる場合は注意が必要です。
- タバコを吸う
- 血縁者にすい臓がんになった方がいる
- 肥満
- 糖尿病の方
- 膵管内粘液性乳頭腫瘍(IPMN)の方
- 加工肉をよく食べる
- アルコールやコーヒーをよく摂取する
- 慢性膵炎である
- 胆石や胆嚢炎、膵嚢胞性病変の既往歴がある
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すい臓がんの検査
すい臓がんは胃カメラなどでは調べることができず、画像診断で検査をします。
人間ドックなどで行われるすい臓がん検査としては、基本的に血液検査や腹部エコー、腹部MRI、PET検査などが行われます。
血液検査
すい臓がんになると消化酵素であるアミラーゼの血中濃度が上昇します。
また、CA19-9などの腫瘍マーカーも増加する可能性があることから、血液から腫瘍マーカーの数値を調べます。
ただし、これらの検査で陽性であってもすい臓がんを断定するものではなく、逆に血液検査で正常であってもすい臓がんになっている可能性もあるため、あくまでも兆候を見るための検査です。
腹部エコー
腹部エコーはお腹にゼリーを塗った状態で超音波機器を当てることで断層像を観察する検査で、痛みや被ばくの心配はありません。
ただ、超音波検査だと小さいがんが見つけにくかったり、消化管ガスによって邪魔されてしまうことがあるというデメリットがあります。
CT・MRI
CT検査・MRI検査は磁気の力を用いて体を輪切り状の画像で観察します。
こちらも負担の少ない検査方法で、さまざまな角度から撮影することができます。
PET検査
PET検査は最近注目されている検査法で、他の検査法に比べると少し高額になってしまいますが、すい臓がんだけでなく、全身のがんを調べられるというメリットがあります。
最近では人間ドックで10万円以下の料金でPET-CT検査を受けられる医療機関も増えており、PET検査ですい臓がんだけでなく全身のスクリーニングをしておくというのもいいでしょう。
すい臓がんが発見された場合は、手術や抗がん剤、放射線治療を状況によって組み合わせることによって治療が行われます。
人間ドックですい臓がんの検査を受けるには
このように、すい臓がんは早期発見が望まれます。
ただ、すい臓がんの検査は集団検診などでは発見することができず、人間ドックを活用して検査しておくことが望まれます。
人間ドックのオプションなどですい臓がん検査が行われていることが多く、症状の有無に関わらず一度チェックしておきたいところです。
すい臓がんの検査を受けることができるお近くの医療機関は、人間ドック・健診の総合予約サイトを使うことで検索することができます。