人間ドックや健康診断で腎機能をチェックする方法の一つがクレアチニンの検査です。
クレアチニンの検査は人間ドックでも一般的に行われる検査項目の一つで、腎臓の状態をスクリーニング検査することができます。
クレアチニンの値は基準値に比べて高くても低くても何かしらの異常が考えられ、状況によってはさらなる精密検査が必要な場合もあります。
腎臓の不調は自覚症状が現れにくいとされていて、このクレアチニン検査を通じて適切な対処をしていく必要があります。
クレアチニンの検査でわかること
クレアチニン(Cr) とは、クレアチンというアミノ酸が代謝されたあとに残る老廃物です。
通常、クレアチニンは腎臓でろ過されることで尿として排泄されます。
ところが、腎機能が低下している状態だと、血液中にクレアチニンが増えてしまいます。このことから、血液検査でクレアチニンの検査を行うことで、腎機能のスクリーニングを行うことができるのです。
この血清クレアチニン値が上がってしまう原因としては、
- 腎機能の低下
- 激しい運動
- 筋肉量の増加
- 加齢
- 高血圧
などが考えられます。
高血圧は腎臓の機能と関係していることもあるため、高血圧の方は特に人間ドックや健診でクレアチニンの検査を行っておくことが望まれます。
検査の際に気をつけること
クレアチニンは筋肉中のタンパク質が分解されることで生成される成分です。
検査を受ける直前に激しい運動や筋トレを行ってしまうと、クレアチニン値が高くなってしまうことがあるため、検査を受ける前には特に食事の制限などは必要ありませんが、激しい運動は控えるようにしましょう。
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クレアチニン値の基準値
クレアチニンの基準値としては以下のようになります。
基準範囲 要注意 異常 男性 1.00以下 1.01-1.29 1.30以上 女性 0.70以下 0.71-0.99 1.00以上 (単位 ㎎/dL) (引用:日本人間ドック学会)
男女では筋肉量が異なるため、クレアチニンの基準値に差があります。
この基準値よりも高い場合は、
- 腎不全
- 急性腎炎・慢性腎炎・腎盂腎炎・糸球体腎炎
- 肝硬変
- うっ血性心不全
- 尿路結石
- 腎結石
- 尿毒症
- 末端肥大症
- 巨人症
- 腸閉塞
- 尿路閉塞
- 心疾患
などの病気が考えられます。
また、クレアチニン値が基準値よりも低いというケースもあり、男性ではクレアチニン値が0.4以下、女性では0.3以下となった場合は、
- 筋ジストロフィー
- 尿崩症
- 長期臥床
- 筋肉量の低下
- 妊娠
などが考えられます。
クレアチニンの値が異常だった場合
クレアチニンの検査はあくまでもふるいわけの検査ですが、クレアチニン値が基準値を超えている場合、腎機能が健康的な腎機能に比べて50%以下になっているとされています。
値が基準値から外れた場合はさらに他の検査を行って原因を調べます。
また、クレアチニンが上がらないようにするには、日頃から塩分・タンパク質を摂りすぎない、適度な有酸素運動を行うといったことが重要です。