ヘルニアと言うと、腰を痛めてしまう椎間板ヘルニアが有名ですが、実は腰だけではなく、脳や食道など他の部位に症状がでてしまうこともあります。
ヘルニアも状態が悪いと日常生活に支障をきたしてしまうこともあり、心当たりがある場合は適切な検査を行って、状況に応じて治療を行う必要があります。
ヘルニアの検査は人間ドックのオプションなどでも受けることができます。
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ヘルニアの種類や検査方法
もともと「ヘルニア」の語源は「脱出」を意味するラテン語から来ています。つまり、臓器や組織が裂け目から本来の位置よりも飛び出している状態ということになります。
ヘルニアとしては椎間板ヘルニアのイメージが強いですが、他にも、
- 食道裂孔(しょくどうれっこう)ヘルニア
- 鼠径(そけい)ヘルニア
- 脳ヘルニア
- 腹壁ヘルニア
- 臍ヘルニア
- 横隔膜ヘルニア
などのヘルニアもあります。
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアには、腰椎椎間板ヘルニアと頸椎椎間板ヘルニアなどがあり、それぞれが腰と首に出る症状となります。
腰の場合は腰痛や下肢のしびれ感や痛み、お尻から大腿の痛みなどがあり、首のヘルニアの場合は、肩こりや頭痛からめまいなどが症状として考えられます。
特に、頸椎椎間板ヘルニアを発症してしまう人口は、パソコンやスマートフォンの普及によって増えていると言われていて、無症状のケースもあります。
検査方法
椎間板ヘルニアを検査する場合は、まずレントゲン(X線検査)で骨の状態をチェックします。ただし、椎間板はレントゲンで確認することができないため、さらにMRI検査を行うことでヘルニアを詳しく調べます。
頚椎・胸椎・腰椎を一度に検査してくれる全脊椎ヘルニアドックという検査コースがあるクリニックもあります。
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食道裂孔(しょくどうれっこう)ヘルニア
食道列孔ヘルニアはあまり知られていませんが、人間ドックで食道列孔ヘルニアと診断されてしまったというケースは少なくありません。
食道列孔とは、横隔膜に開いた穴のうち、食道が通っている穴のことを言いますが、胃の一部が胸腔側に突出している状態を食道裂孔ヘルニアと言います。
症状としては、
- 胸やけ
- 胸の痛み
- つかえ感
があり、逆流性食道炎を引き起こしてしまう可能性もあります。
検査方法
検査方法としては、バリウムを飲む造影検査や内視鏡検査が行われます。
基本的に放置しても問題がないケースが多いですが、症状によっては手術の対象になる場合があります。上記のような症状がある場合は、早めに人間ドックや消化器科を受診して検査するようにしましょう。
鼠径(そけい)ヘルニア
鼠径ヘルニアというのは、いわゆる脱腸のことで、お腹に力を入れたりすると、お腹の中の小腸などの臓器が出てしまい、ももの付け根や鼠径部の皮膚の下に何か出てくるような感覚になります。
- 外鼠径ヘルニア
- 内鼠径ヘルニア
- 大腿ヘルニア
などの種類があり、症状としては、立ったときやお腹に力を入れた時に鼠径部に柔らかいしこりのような腫れが出てきて、基本的に指で押すと引っ込みます。
検査方法
基本的に問診での視診・触診で判断され、状況によっては超音波検査やCT検査が行われます。
どの年代にも起こりうる症状ですが、特に40代以上の男性に多いと言われています。
脳ヘルニア
ヘルニアの中には、頭部の損傷によって脳が押し出されてしまった状態の脳ヘルニアという症状もあります。
脳はあらゆる感覚を司っている場所でもあるので、めまいや吐き気などの症状が出たり、運動・感覚障害が起こってしまうことがあります。
さらに、
- 呼吸障害
- 意識障害
- 瞳孔の異常
などが引き起こされてしまうことがあります。最悪の場合、後遺症が残ってしまったり、死に至ってしまうケースもあります。
検査方法
脳ヘルニアの検査としては、どの部分が圧迫されているかを確認するために頭部CTやMRIなどによって画像診断されます。
脳ヘルニアの場合、治療は一刻を争うような危険度の高いケースもあります。自覚症状がある場合はできるだけ早く検査・治療を行ってもらうようにしましょう。
脳を検査するための人間ドックである脳ドックというものもあります。
人間ドックでヘルニアを検査するには
このように、ヘルニアといっても椎間板ヘルニアだけでなく様々な種類のものがあります。ヘルニアは放置しても問題ないものから、一刻も早く治療が必要なものまであります。
いずれにしても早期発見できることに越したことはありません。まずは気になる症状は病院で検査してもらうことをおすすめします。
ヘルニアの検査は人間ドックのオプションを使うことで受けることができたり、検査コースに含まれているものもあります。
ヘルニア検査のあるお近くの医療機関を探すためには、人間ドック・健診の総合予約サイトを活用すると便利です。