男性の病気の中でも特に注意したいのが前立腺の病気です。前立腺がんなどの病気は欧米で多いとされてきましたが、近年では食生活の欧米化や高齢化によって日本では急激な増加傾向にあり、なんと2016年のがん罹患数予測では前立腺がんが男性のがんの中で最も多いとされています。(参考:国立がん研究センターがん対策情報センター)
前立腺の病気は早期に発見されることが望まれますが、前立腺がんは初期の自覚症状はほんとどないと言われています。
そのため、人間ドックなどを活用して定期的に検査しておくことが大切なのです。
前立腺の検査方法は?
前立腺の検査方法としては、スクリーニング検査として主に腫瘍マーカー(PSA)、直腸指診、超音波エコーが使われています。
腫瘍マーカー(PSA)
前立腺がんはほとんどの場合この腫瘍マーカーで診断することができます。
PSAとは、タンパク質の一種で、血液中のPSA値を測定することで前立腺がんの疑いをチェックすることができます。また、このPSA値から前立腺がんだけでなく、前立腺肥大症や前立腺炎の可能性も検査することができます。
検査の方法は腕から採血するだけなので、比較的気軽に検査を行うことができます。
PSA値が4.0 ng/ml以下であれば正常で、それよりも値が高くなればなるほど前立腺がんの疑いが大きくなります。
直腸指診
人間ドックで前立腺の検査を受ける場合は、直腸指診も行われる場合もあります。
直腸指診では、医師がゼリーをつけた手袋をして直腸に4 cmほど指を入れ、直腸壁に触れることで硬さやかたちなどの状態をチェックします。
この検査はほとんど痛みはありません。
超音波エコー
健康診断などで前立腺の異常の疑いが確認された場合は、超音波エコー(前立腺膀胱超音波検査)や前立腺MRI検査を使って画像検査をすることがあります。
超音波を使って前立腺の様子を直接観察することでさらに精密な検査を行います。
このように、人間ドックなどではまず前立腺のスクリーニング検査を行います。その上で前立腺の異常の疑いがある場合は、がん細胞を直接調べるための前立腺針生検などが行われます。
スポンサーリンク
前立腺がんは早期発見が大事
前立腺がんは早期発見されることで、根治が可能な病気とされていて、初期では自覚症状がほとんどないため、人間ドックなどで定期的に検査しておくことが大切です。
また、がんが成長してしまうと頻尿や残尿などの症状が出てきてしまいます。圧痛がある場合は慢性前立腺炎の可能性が考えられます。
以下に当てはまる場合はぜひ検査しておくことをおすすめします。
- 40歳以上の男性
- 頻尿や残尿、血尿などの症状がある
- 喫煙や飲酒の習慣がある
- 脂質の多い食生活を送っている
- 家族に前立腺がんになったことがある人がいる
実際に、PSAをベースとしたスクリーニング検査を行うことによって、前立腺がんによる死亡率を44%も減少することができたという14年間の追跡調査によるデータが報告されているのです。(参考:Christopher L. Wolfgang (2015) Cancer Screening and Genetics, An Issue of Surgical Clinics:Elsevier Health Sciences)
人間ドックで前立腺の検査を受けるには
そんな前立腺の病気を、人間ドックのオプションを使うことで検査することができます。人間ドックを行っているクリニックのほとんどでPSA検査を受けることができます。
特に前立腺肥大や前立腺がんなどの男性特有の病気にフォーカスしたメンズドックというプランもあり、一般的な人間ドックに腫瘍マーカーがついて数万円から受診することができます。
腫瘍マーカー自体は値段も安く、採血するだけなので気軽に受診することができます。
前立腺の検査を行ってもらうことが可能なお近くの施設を探すには、人間ドック・健康診断総合予約サイトを活用すると便利です。