国立がん研究センターのがん罹患数予測によると2016年には21,900人の男女が膀胱がんに罹患し、8,400人もの人が亡くなってしまうと予測されています。(参考:国立がん研究センター)
膀胱がんの症状としては、血尿や排尿痛、頻尿などがありますが、血尿が肉眼では確認できない場合もあり、気づきにくいケースもあります。
また、血尿が一度おさまった場合でも自己判断で解決せず、検査してもらうことが大切です。
膀胱がんの検査は人間ドックのオプションなどを活用することでも受けることができます。
膀胱がんの症状は?
膀胱がんの症状としてはまず血尿があります。痛みのない血尿が膀胱がんの特徴で、血尿になったからといって必ずしも膀胱がんというわけではありませんが、このような場合はすぐに診察を受けることが望まれます。
また、血尿はしばらくしておさまるケースもありますが、この場合でも安心はできないので一度検査を受けるようにしましょう。
見た目では分からず、尿検査を行わないとわからない血尿もあります。
血尿の他には、排尿痛や頻尿、進行すると尿管口がふさがることで背部痛が生じることもあります。
膀胱がんには、表在性膀胱がん、浸潤性膀胱がん、上皮内がんといったタイプがあり、特に50歳以上の喫煙者に多いことがわかっています。割合としては男性が多いですが、もちろん若い女性でも可能性はあります。
上記のような症状がある、タバコを吸う習慣があるまたは過去に喫煙経験がある、職業性発がん物質への曝露があるなどの場合は一度検査を受けることをおすすめします。
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膀胱がんの検査
膀胱がんの検査方法としてはいくつか候補があり、スクリーニング検査として腫瘍マーカー検査が行われることもありますが、基本的には尿検査と膀胱鏡、尿細胞診で判断されます。
ちなみに、一度で全身のがんを調べることができるとして最近注目されているPET検査は膀胱がんの検査には向いていないとされています。
尿検査
尿検査をすることで見た目ではわからない血尿も調べることができます。尿の中に赤血球や白血球が含まれている場合、膀胱がんの可能性が疑われます。
膀胱鏡
膀胱鏡検査は内視鏡を使った検査です。局所麻酔をして内視鏡を尿道から入れることで膀胱内を観察します。カメラで映し出された映像をモニターで直接観察することでほぼ確実に膀胱がんを診断することができます。
また、この時組織の一部を採取してがん細胞の有無を顕微鏡で調べる場合もあります。
尿細胞診
尿検査の際に尿中にがん細胞が含まれていないかどうかを顕微鏡を用いて検査する方法です。
負担も少なく簡単な検査ですが、がんであっても陰性になるケースもあるため通常他の検査と併せて行われます。
画像検査
膀胱がんは基本的に尿検査と膀胱鏡検査で判断することができますが、さらに精密にがんの広がりなどを調べる場合は、腹部超音波検査(エコー検査)やCT、MRI検査といった画像検査が行われます。
その他にも、
- 膀胱がんが発見された場合、転移しやすい膀胱の上部の尿管や腎盂の状態を調べるための排泄性腎盂造影(IVP)
- 肺への転移を調べるための胸部X線撮影
- 骨への転移を調べるための骨シンチグラフィ
なども状況によって用いられます。
人間ドックで膀胱がんの検査を受けるには
膀胱がんは人間ドックでも見つけることができるがんの一つで、国の検診よりも人間ドックで検査したほうががんを発見できる精度が高いと言われています。
また、膀胱がんは早期発見されることで完治できる可能性が高く、治りやすいがんでもあります。
気になる症状がある場合は早めに検査を受けることが大切です。
膀胱がんの検査を受けることができるお近くの病院を探すには、健診・人間ドック総合予約サイトを活用すると便利です。