性感染症は放置しておくと危険な場合もあり、中でも「梅毒」は最近になって急増していると言われています。
梅毒は症状が出る場合もありますが、症状に気づかない場合もあります。放置してしまうと病原菌が全身に広がってしまい、妊娠した場合母子感染してしまったり、最悪の場合神経障害を起こしたり、死に至ってしまう可能性もあります。
そんな梅毒の検査としては、人間ドックなどの検査項目にもある血液検査が行われます。
梅毒の症状は?
梅毒はトレポネーマ・パリダムという病原体が感染して起こる性感染症ですが、ペニシリンによる治療が始まってから日本でも減少傾向にありました。しかし、ここ数年で急増していて、2014年から2015年においては1.5倍も増加し、2016年ではさらなる増加が予想されています。 (参考:国立感染症研究所)
感染者のうち、8割が男性と言われていましたが、最近では女性に急増しているのが問題となっています。
梅毒の感染は性交だけでなく、まれに輸血などが原因となることもあります。
症状の進行は第1期から第4期まで分けられ、
初期の第1期では、
- 性器や口など感染部位にしこりができる
- 太ももの付け根などリンパ節が腫れる
といった症状があり、第2期に進行すると、
- 赤いブツブツとしたあざのようなもの(バラ疹)が全身に現れる
- 茶色や白っぽい盛り上がったブツブツが出てくる
- 食欲の低下
- けだるさ
- 発熱
- 脱毛
- 頭痛
- 関節痛
などの症状が現れます。
また、潜伏期間があり、症状がなくなるため一見治ったと勘違いしてしまうケースがよくありますが、それでも進行している段階なのでおかしいと思う症状があった場合は検査を受けておくことが大切です。
また、症状がない他の性感染症としては、クラミジアや淋病などがあります。
梅毒の検査
梅毒は放置してしまうと3年、10年、20年と進行してしまいます。第3期、第4期になると脳にダメージを与えてしまい、重い脳障害などが引き起こされてしまう怖い病気です。
そんな梅毒の検査としては血液検査が行われます。
血液検査
血液検査では、TP(梅毒トレポネーマ)に対する抗体を検出するTP抗原法と、カルジオリピンという脂質を使って調べるSTS法を組み合わせて感染の有無を検査します。
ただ、TP法では、過去に感染があって完治している場合も陽性となってしまったり、他にも結核、妊娠、膠原病、自己免疫疾患、肝臓病、他の感染症などでも陽性となってしまうため(生物学的偽陽性)、その場合はさらなる検査を受ける必要があります。
潜伏期間があるため、この血液検査は感染したと思われる日から約1ヶ月後に検査を行うといいでしょう。
梅毒を治療する場合は、基本的にペニシリンを服用するだけです。発見が遅れるほど服用期間が長くなってしまいます。
人間ドックで梅毒検査を受けるには?
梅毒は早く治療を開始すればするほど治療効果も大きくなりますが、放置してしまうとパートナーに感染させてしまうだけでなく、進行すると深刻な病気になってしまうこともあります。
特に妊婦さんは胎児に感染してしまう可能性があるため、梅毒検査がよく行われます。
検査自体は採血を行うだけで、治療も薬の服用なのでそこまで負担は大きくありません。放置せずにできるだけ早い段階で治療を行うようにしましょう。
検査方法としては検査キットを使う方法と医療機関で検査してもらう方法があります。
医療機関で検査をしてもらう場合は、人間ドックの血液検査に含まれていたり、希望者だけオプションとして追加することができます。
梅毒の検査を行っているお近くの医療機関を検索するには、人間ドック・健診の総合予約サイトを活用すると便利です。