人間ドックというと40代や50代で受診するというイメージがあり、実際に脳の検査である脳ドックを受診する人の平均年齢は50歳代となっています。
しかし、脳の病気は遺伝性のものもあったり、最近では若年性脳梗塞が増えていると言われていたりすることから20代や30代で脳ドックを受診する人も増えています。
脳血管疾患は日本人の死因の第3位にもなっている怖い病気です。早めに危険因子を発見しておくことも大切です。
20代~30代からの脳ドック
脳梗塞の患者数は50代、60代以降から増え始め、70代においてピークとなります。
そのため、50代で脳ドックなどを受診する人が多く、40歳になったら脳の検査が推奨されます。
ただ、最近では、20代、30代で脳梗塞になる若年性脳梗塞も増えていることから、若いうちから検査をしておくことも望まれます。
20代
脳梗塞の危険因子としては、いくつか考えられますが、若年層の生活習慣や食生活、ストレスといったことが脳梗塞と関係していると考えられています。
- 過労やストレスに悩まされている
- 糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病が気になる
- 肥満・メタボリックシンドローム
- タバコを吸う
といった場合は若いうちからでも検査しておくことをおすすめします。
特に、最近の20代、30代ではコレステロール値が高い傾向にあるため注意が必要です。
30代
最近では30代の若い有名人が脳梗塞になったというニュースもしばしばあります。
また、脳卒中の罹患率は30代から高くなってくるというデータもあります。
脳卒中は男性だけではなく、女性に増えていて、重症化しやすいとされていますが、なかなか病気に気がつきにくく、受診が遅れてしまうというケースも少なくありません。
脳梗塞の初期症状としては、「FAST」といって、
- F(Face):顔の麻痺
- A(Arm):腕の麻痺
- S(Speech):ことば障害
- T(Time):上のFASが当てはまる場合は、発症時刻を確認し、すぐに救急車を呼ぶ
といった判定方法がありますが、「隠れ脳梗塞」という言葉もあるように、はっきりとした自覚症状がないケースもよくあります。自覚症状がない場合は、脳ドックの検査によって偶然発見されることがあります。
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脳ドックでの検査
脳ドックでの検査方法としては、基本的に頭部MRIや頭部MRAといった画像診断が使われます。
状況に応じて、
- 脳波検査
- 心電図検査
- 血液検査
- 血圧測定
- マルチスライスCT
なども用いられます。
MRI検査などは被ばくリスクもないため、被ばくが気になるという方でも若いうちから検査を受けることができます。
脳ドックを受診するには
最近では、ブラック企業という言葉もあり、若いうちから無茶をしているという方も多く、20代、30代の無茶が病気のリスクにつながってしまう可能性もあります。
こういった危険因子を早期に発見するためにも、20代や30代からでも2~3年に1度は脳ドックで検査してもらうことが望まれます。
脳以外の検査も行いたいという場合は、脳ドックと人間ドックをセットで受診することもできますし、20~30代向けの検査コースがある病院もあります。
脳の検査以外にも、20代、30代では、ピロリ菌の検査や女性の場合乳がんの検査を受けておくのが理想的です。
脳ドックが受けられるお近くの医療機関は、人間ドック・健診総合予約サイトから探すことができます。